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「真国地区に納豆文化」新聞掲載 授業「地域デザイン」

公開日: : 最終更新日:2018/07/15 和歌山の納豆文化, 地域デザイン授業記録簿, 授業紹介, 最新情報

地域デザインブログ用イメージ

2014年9月13日「真国地区に納豆文化」と題した記事がわかやま新報社で掲載されました。

納豆掲載新聞

この記事で紹介された納豆文化は、りら創造芸術高等専修学校の選択授業「地域デザイン」で

一年をかけて調査してきました。

地域デザインイメージ

 

授業「地域デザイン」とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真のグローバルはローカルが繋がって出来ている。をテーマに、

学校周辺への聞取り調査(フィールド・ワーク)を通して、地域の魅力や不思議を発見し向き合うことで、

地域に核をもったアート活動を構築し、地域に眠る文化の活用を目的としたプロジェクト型選択授業です。

 

世界文化遺産「高野山」の西懐で学ぶ、全国から集まった高校生が地域の「生活遺産」を発掘し活用することを

授業目標にしています。

授業課題例

・塩納豆食文化の調査

・まくにのお寿司のブランディング、

・紀伊国名所図会のアニメーション表現による解析

等があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今回新聞で取材していただいた納豆調査は、真国川流域に伝わる「生活遺産」のひとつ

納豆文化の分布調査です。

 

この調査は、2013年7月のフィールド・ワークで地域の古老から聞いた

「この地域では古くから納豆を塩で味付けし食べます。この納豆は落ち武者が伝え、

根来窪地区(現在は紀の川市に位置し消滅集落となっています)に伝わり広がった

と聞いています」との聞取りから始まりました。

ここで言う落ち武者とは、天正13(1585)年、豊臣秀吉の根来攻めにあって、根来窪に落ち延びた

根来寺の僧兵らのことです。

現在日本で最も『納豆を食べない県』である和歌山県の山間部において、

昔から食べられている納豆食文化に興味をもち、

2013年度はその特徴と作り方を調査しました。

また、塩での味付けや、歴史的背景などの点で共通点が多い、京都右京区山国地区への調査に行きました。

そして本年度は、その分布域を探ることを目標に調査を続けました。

 

この調査で1年間に100件以上の民家をまわり、以下のことがわかりました。

1.当地域に伝わる納豆文化は、その製造法の特徴と文化的背景から

納豆食発祥の地と云われる京滋地方から伝わった可能性があること。

2.当地域における納豆分布は、真国川周辺地区を中心に、婚姻圏にあった地域約8キロメートルの範囲で分布していて、

大正時代以前にはさらに広い広がりがあったが、生業や流通の変化などで作る家庭が少なくなっていること。

3.真国川上流部のかつらぎ町下志賀付近(鞆淵地区との境目)で納豆文化が見られなくなること。

 

ここで、興味深い話があります。

納豆は源義家という武将が兵糧として発見し全国に広がったという説があります。

この源義家は、別名を「八幡太郎義家」といい、京都の石清水八幡で元服をするなど、八幡信仰と深いつながりがありました。

実は、本調査で納豆文化圏の上流端とされる鞆淵地区は、石清水八幡宮領だった地区で、現在国宝となっている

沃懸地螺鈿金銅装神輿(いかけじらでんこんどうそうみこし)を奉送されるなど、深いつながりがありました。

 

このことから、石清水八幡宮領内で京都から伝わった納豆製造法が定着し現代まで食べられているのではないか

という仮説を立てました。

確かに、海や都から離れた当地域において、大豆と塩を原材料に作る納豆は、農業を生業にする人々にとって

貴重な栄養源だったと考えられます。

 

今回、調査した分布範囲だけでは、この仮説を立証することはできません。

食文化は上でも述べたように、生業や流通の変化が大きく影響します。

柳田國男の周圏論も示唆するように、文化が入ってきた場所だから

そこに残っているということは必ずしも無いとも思います。

 

しかし、「生活遺産」の聞取りによって浮き出たパーツと、歴史のパーツが上手く合わさる

この仮説に、興味をそそられます。

 

りら創造芸術高等専修学校

教員 鞍 雄介

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