*

春休みの納豆研修in京都山国

公開日: : 最終更新日:2018/07/15 和歌山の納豆文化, 地域デザイン授業記録簿, 最新情報

地域デザインブログ用イメージ

納豆歴史研修in京都山国
001.jpg
生徒作品:わら納豆 5期生N.I
りら創造芸術高等専修学校は、(以下、りらと省略)高野山の西北麓の紀美野町に立地しています。
中世史で有名な重要文化財「紀伊国神野・真国荘絵図」で描かれる地としても知られています。
800年以上前に都と繋がっていた歴史あるこの真国地区。
現代ではそんな歴史深い地も、国の基準に照らすと「限界集落」となるほど過疎化が進んでいます。
りらでは、地域からの聞き取りを通して、アートの素材を発見することを目標とした
選択授業「地域デザイン」を開講しています。
里山に残る知恵や、地域に残る昔話など。地域にはたくさんのアートの種が詰まっています。
そんな授業で今回研究対象となった「塩納豆」は、真国地区の中でも一番奥まった
「円妙寺」という集落で伝統的に食べ継がれてきました。
当初、納豆食の文化が何百年も前から和歌山に存在するとは、私たち含め誰も思っていませんでした。
それもそのはず和歌山県は、2008年の納豆消費量都道府県ランキングでは、47都道府県中47位という記録を持つほど
納豆を食べない地域なのです。
聞き取りで聞いた円妙寺地区の古老Tさんの話です「この納豆は平家の落ち武者が伝え、
根来窪地区(現在は紀の川市に位置し消滅集落となっています)に伝わり広がったと聞いています」
この話から学校でつけた呼び名は「真国平安落人納豆」です。
現段階では歴史的史実とはいかず「物語」の域を出なかったのですが、
この度の研修で「おもしろい(興味深い)物語」だと気付き始めました。
この納豆の特徴は以下の3点です
1.古く(古老への聞き取りでは確実に3代前以上)から円妙寺の家庭で作ってきた。
2.完成後、塩辛いくらいに塩をあえて壷に入れて保存食とする。
3.昔は、今のように白米と食べることはせず、茶粥などの付合せとして食べた。
今回の研修では
特に2点目の「塩での味付け」を同じように行う文化をもち、藁つと納豆発祥の地とも
云われる京都市右京区の山国地域で、どのように納豆文化が伝わり活用しているのかを見学に行きました。
神護寺見学
最初に訪れたのは神護寺です。
このお寺は今より、832年前寿永元年(1182年)7月から領主として真国荘を管理していました。
先に述べた重要文化財「紀伊国神野・真国荘絵図」も神護寺が所蔵しています。
DSC_3382.jpg
納豆とは関係ないかもしれませんが、束石と木材が綺麗に接しています。
電気工具を使わずにどのように加工したのか?昔の職人さんの技術の高さには驚きです。
DSC_3383.jpg
幸運にも住職様にお会いすることができました。
DSC_3385.jpg
㈲山国さきがけセンター見学
ここは、住民が出資し「村おこしの拠点」として、納豆をはじめとした大豆製品の生産、加工販売を行う会社です。
この日は定休日であるにも関わらず、商工会や関係者の方が集まってくださり、本当に丁寧にご説明いただきました。
DSC_3388.jpg
納豆に対する並々ならぬ情熱を感じることができました。
DSC_3397.jpg
山国さきがけセンターでは、地域に伝わる納豆などの食文化を製品化し販売しています。
DSC_3400.jpg
常照皇寺見学
このお寺には、開山された光厳天皇の生涯を描いた絵巻が現存し、そのなかに常照皇寺の庭で
住職がふるまったと思われるわらづとに包まれた納豆の絵が残っています。
DSC_3407.jpg
DSC_3411.jpg
DSC_3413.jpg
山国隊軍楽保存会の方に、明治維新で活躍した「山国隊」が残した軍楽について詳しくお聞きしました。
DSC_3404.jpg
今回の研修では、アドバイザーとして高野山大学 委託研究員の森本一彦先生と、
カメラマンの宝門先生に御同行いただきました。
また、山国さきがけセンターや山国隊軍楽保存会の関係者の皆様に
ご協力いただきました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校(平成28年4月開校)WEBサイト

りら創造芸術高等学校HP

関連記事

地域デザイン 葡萄櫨の原木調査「実物計測」

2017年9月8日金曜日 地域デザインの授業で鞍ワクワク班のメンバーと映像表現のA君で、葡萄櫨

記事を読む

真国丹生神社にて御田の舞と奉納があります

  2月25日(水)11時から(御神事は10時30分から)、学校のすぐ近くにある真国

記事を読む

「後期総合授業発表会」がありました!

こんにちは!2年生のC.Aです。 昨日2月28日に今年度最後のイベント「後期総合授業発表会」があり

記事を読む

ほたるないと2018 大盛況で終了しました

2018年6月16日土曜日にりら創造芸術高等学校で開催された 保護者交流舞台「ほたるないと」が

記事を読む

~ふるさと劇団海南座に出演決定!!~

▼旗揚公演 「ウルシノネイロ。」 ~鳴り止まない海南ロック~ ▼日時:2014年3月8日(土)

記事を読む

りらカフェ 無事終了!

りらカフェ5日間の営業がおわりました! 8月23日~8月27日にプロジェクト販売が企画した りら

記事を読む

no image

太鼓で練習

少し遅くなりましたが、 水曜日の「総合芸術」の授業のご紹介。 「総合芸術」では、『日本』をテーマに、

記事を読む

no image

総合芸術の時間

水曜日の総合芸術の時間。 今年は「日本」をテーマに、色々なことにチャレンジしています。 太鼓の他にも

記事を読む

no image

9月19日(土)オープンスクール・オンラインでのりらフェスティバルが開催されました。

9月19日(土)午前に体験授業(オープンスクール)と、午後からはオンライン配信でのりらフェスティバ

記事を読む

後援会役員会が開催されました

9月7日19時から紀美野町総合福祉センターにてりら創造芸術学園後援会の役員会が開催されました。 後

記事を読む

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校(平成28年4月開校)WEBサイト

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校(平成28年4月開校)WEBサイト

りら創造芸術高等学校HP
【りらファクトリー】大阪・関西万博で発表

5月15日、16日の二日間、EXPO2025大阪関西万博会場内の関西

ブドウハゼ紹介動画、英語版完成

ブドウハゼ紹介動画の英語バージョンが完成しました! 2年前から

no image
吉田製蝋所見学報告

2月末、海南市にある吉田製蝋所に見学に伺いました。吉田製蝋所は和歌山

「わかやまふぃん」をりら地救DAYにて販売!

りらのまふぃんの新作「わかやまふぃん」を開発しました!

【コラム】2024年度 進路速報

今年度(2024年度)の高校3年生が、進路決定までに取り組んできた舞

→もっと見る

PAGE TOP ↑