プロジェクトフィールドワーク in吉田製蝋所
公開日:
:
最終更新日:2017/12/23
地域デザイン授業記録簿, 最新情報, 葡萄櫨の原木調査
今年度、初めて行われたプロジェクトフィールドワーク(PFW)は、3日間連続したフィールドワークを行いました。
普段の授業では難しい、時間のかかる作業や、県外への研修旅行など。プロジェクト(部活動のりらでの呼称)単位で企画しました。
今回は、プロジェクト「研究」の民俗学演習班が行った、和ろうそくに関する調査の様子を報告します。
始まりは昨年の1月、学校の近隣の志賀野地区で、ブドウ櫨(ハゼ)の収穫を行うおじいさんと出会ったことにさかのぼります。
5m以上の高さに育った木に、慣れた手つきでロープを使いながらヒョイヒョイと上ります。おじいさんは御年84歳(当時)。
聞けば、17歳ごろから木登りを続けているとのこと。
「カンギ」と呼ばれる手作りの道具を使い、遠くの実も全部集めます。
「この木の実は何に使うんですか?」との問いに「ロウソクやお相撲さんのびんつけ油の原材料として使われているよ」と教えていただきました。
和ロウソクは室町時代からつづく伝統工芸です。上の絵のような碇型のものが有名です。
今回のPFWでは、収穫現場の撮影の際にお聞きしていた海南の製蝋所の場所を見に行きたい。ということになりました。
そこでまず「おじいさんが収穫したブドウ櫨を原材料にしたロウソクを購入してみよう」という話をしました。
パソコンルームに全員で行き、インターネットで検索してみるとこのHPが出てきました。
そこには、「現在和歌山県に一戸を残すのみ」と書かれており、和ロウソクの原材料であるブドウ櫨が危機的な原料不足に陥っていることがわかりました。
そこで、早速ローソク屋さんに電話をしてみると
「本日は、社長がたまたま和歌山に出かけています」とのこと!!
ちなみにどこに行かれているかをお聞きしたところ「海南の製蝋所」とのこと!!
急遽、海南市にある「吉田製蝋所」で会っていただけることになりました。
奇跡とも言える偶然に恵まれ、ロウソク職人でもある、田川社長さんと製蝋所の吉田夫妻から直接聞取りを行うことができました。
そこでは、木蝋生産のことや、和蝋燭の重要性。職人からみたブドウ櫨の重要性などをお聞きすることができました。
1年生も参加しましたが、みんな真剣に聞きいりました。
参加したメンバーからは「これ(櫨の現状)を伝えたいね」という話で盛り上がりました。
今回のPFWでは、奇跡のような偶然が重なり、とても充実した聞取りを行うことができました。
参加したメンバーは、「このことをドキュメンタリー映像として収録したい」という話をしています。
今回のフィールド・ワークで得た貴重な情報をりら創造芸術高校ならではの授業「映像」や「メディアデザイン」などと協力して作品化できたら素敵だと思います。
葡萄櫨に関する次回のブログ
りら創造芸術高等学校HP
関連記事
-
-
世界民族祭2018 VOL.1「アフリカの輝き」開催
毎年大きく成長してきた世界民族祭が、10年目を迎えた今年。 初心に立ち返り「世界の子ども」をテ
-
-
葡萄櫨の原木3Dスキャン
2019年12月6日、授業地域デザインで抹消天然記念物「葡萄櫨の原木」のフォトグラメトリによる3D
-
-
テレビ取材 ブドウ櫨
授業地域デザインでは、京和ろうそくの原材料になるブドウ櫨についても調べています。 櫨(
-
-
『ほたるナイト』いよいよ明日!
みなさんこんにちは!3年生のR.Iです。 明日、りらが「高等学校」になって初めてのイベントがあ
-
-
学校案内が出来ました!寮生で送付作業!
こんにちはー!10期のKです! 今日は、 寮生で、学校に残って学校案内の送付作業をしました!!
-
-
【告知!】25年度 りらフェスティバル~小さなりらと真国の大きな和~
7月14日(日)に、本校にて開催される夏祭り、 「りらフェスティバル~小さなりらと真国の大きな和~」
-
-
たむらけんじの「学校に行こッ!」で紹介していただきました。
本日、MBS(毎日放送)のTV番組、ちちんぷいぷいのコーナー「たむらけんじの学校に行こっ!」にて本校
-
-
温かかったSnow Dayおわり!
皆さんこんにちは!3年生のK.Aです。 紀美野町真国宮にある本校では本格的な寒さが
-
-
校長室より 春休みのある日
春休みのある日。学校の裏にある広い畑で夏野菜の植え付け。ベテランの先生から指導し
りら創造芸術高等学校HP
- PREV
- 実物大105cm望遠鏡模型製作日記 第7話 「電車でGO!」
- NEXT
- 学園設立 10周年記念