オーガニックコスメ製作 【③クリーム作ってみました編】
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最終更新日:2022/03/03
りら工房, オーガニックコスメプロジェクト
さて、ここまででクリーム製作に必要な原材料(木蝋,米油,カヤ精油)は出揃いました。
「やっとこれでクリームの試作品が完成する…!」と思っていた矢先、またまた試練となる新情報が。
クリームの主原料として使用していたブドウハゼから採れる蝋「木蝋(もくろう)」はそのままだと綺麗なウグイス色をしているのですが、その状態だと薬機法で化粧品に使用する事は出来ないそうなのです。
化粧品として使用するには不純物を取り除いた上、色を漂白し白くした「白蝋(はくろう)」でないとダメだと法律により定められています。
漂白するにはもちろん薬品で漂白する方法もあるのですが、昔ながらの天然の漂白方法もあります。
その工程は以下のようなものです。
①木蝋を溶かし、水に入れて不純物を沈める。
②不純物が沈んだ後、綺麗な上澄み部分の蝋だけをすくう。
③ ※この工程を数回繰り返す
④不純物を取り除いた蝋を1ヶ月以上太陽に晒す。(天日干しする)
→天然の方法で漂白された、晒し蝋(白蝋)が完成。
このように、とても手間と時間がかかるのです。
天然素材にこだわっている私たちはもちろんこの天然の方法で漂白された白蝋を使いたいのですが、この時は漂白方法も知らなければ、本物のはくろうを見たこともありませんでした。
どうしたものかと行き詰まっていると、和歌山県林業試験場の坂口部長さんが天然技法で漂白する方法を実験されていたらしく、役に立つならとシャーレに入ったままの白蝋をいくつも提供して下さったのです!


↑
(これがもともとの木蝋です。ハクロウと色が違います。)
こうして白蝋,米油,カヤ精油を混ぜたクリーム試作品第1号が遂に完成しました!

その後テクスチャーを柔らかくするために融点の低い榧の種から採れる油を混ぜてみたり、固まったクリームを混ぜ空気を含ませてみたりした試作品第2号も作りましたが、現在の商品化に向けた配合は第1号の方が近くなっています。
出来た試作品をテスターとして手荒れに悩む学校関係者数名に試してもらったところ、あかぎれや手湿疹に効果があったという結果を得ることが出来ました。※個人的な使用談
使用してもらった人からは早く商品化して欲しい!という声をたくさんいただき、それが現在まで私たちの活動源となっています。
こうして、自分たちで考えた化粧品を商品として作る動きが加速しました。
りら創造芸術高等学校HP
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