オーガニックコスメ製作 【②精油抽出編】
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最終更新日:2022/03/03
りら工房, オーガニックコスメプロジェクト
前回のブログはこちら
紀美野町内にある植物で、香料になりそうな良い香りの物として先生が挙げて下さったのが「榧(かや)」という紀美野町木に指定されている木の実と、「縮砂(しゅくしゃ)」という紀美野町産品の”縮砂寿司(しゅくしゃずし)」にも使われている葉っぱの2つです。
生徒2人とも、どちらの香りも植物自体も知らなかったため、「まずは実際に嗅いでみよう!」とまたまた授業時間に車で山へ出かけて行きました。
どちらも植物らしい緑の青い香りでしたが、「榧」の葉っぱの香りの方が採れたての青いトマトのような爽やかな香りだったため、まずは「榧」から抽出してみる事にしました。

ネットで「水蒸気蒸留法」という方法を調べ、ネット通販でその装置を買いました。まだ6月でまだ実は無かったため、葉っぱや枝を蒸留してみたのですが…その香りの液体(フローラルウォーター)が採れるだけで全く精油は見えません。
初めは簡単そうに思えた精油蒸留ですが、今思えばこのオーガニックコスメ開発の中で1番大変だったのがこの精油蒸留だったのです。
精油を何とかして抽出すべく、まず取り掛かったのが水蒸気蒸留装置の自作です。
ネットで買ったものでは小さすぎて、原料がそんなに入りません。
そこでまず装置の仕組みを調べ、中古の旧式圧力鍋やホームセンターで買った耐熱チューブ,地域の方が持っていたもう使わない巨大水槽の冷却するための銅管を組み合わせ、学校の厨房にあるボウルや氷なども使い、何とか手作り蒸留装置を完成させました。

そして次は原材料。
「榧の香り」と言っても枝,葉っぱ,実のどこからも同じ香りがします。
しかし大量に手に入る枝や葉っぱでは、含まれている油分が少なすぎて蒸留しても採れるほどの量は出てきません。
何度も試行錯誤した結果、榧の”実”の果肉の部分を使うことで油(精油)の膜がフローラルウォーターの上部に浮くようになりました。
しかし原材料が少なすぎるため、上部に浮いているだけでなかなかスポイトでもすくえません。
試行錯誤するうちに数か月が過ぎ、丁度その頃には榧の実が成っている時期になっていたので、高枝切りバサミで道に生えてる木から実を採ってきたり、地域の方に聞き込みをして持っている榧の木から落ちる実を採らせてもらったりと必死で拾いに行った結果、何とか5kgの榧の実を集める事ができ、遂にそこから約30mlの精油を抽出する事に成功しました!

なんと精油抽出成功までにかかった期間、約3ヶ月!!!
精油が採れた瞬間は感動ものでした。
やっと精油を蒸留する事に成功しましたが、元々の本題はクリーム製作。
ここからクリーム製作を本格的に始めました。
りら創造芸術高等学校HP
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