*

授業こぼれ話「きつねの小判」の由来仮説

公開日: : 最終更新日:2019/12/03 地域デザイン授業記録簿, 最新情報, 葡萄櫨の原木調査

きつねの小判という子どもの遊びをご存知だろうか?

「きつねの小判を100個集めると願いが叶う」というもので、全国で同じような遊びが行われているらしい。

このきつねの小判の正体は野鳥によってたべられて排泄された「櫨の種」である。大人からみると汚く感じるが、子どもたちは雨水によって洗われ綺麗な黄金色に輝くその種をせっせと集めている。

櫨の種 別名:きつねの小判

全国で遊ばれている。といっても地域差があるようで、知っている人にとっては当たり前だが、知らない人にとっては全く謎の遊びらしい。以前から、授業で櫨について学びながらこの遊びの分布範囲やいつごろから遊ばれているのか?そしてその由来に関心をもっていた。

今回は、芸術高校の特色授業のこぼれ話として、この遊びの中に面白い事実とストーリーが含まれることに気がついたので紹介したい。

大きく成長した櫨(リュウキュウハゼ)は数10キロの実を実らせ、自然下では樹の下に大量に落下することになる。

しかし、その一部は野鳥によって食べられる。

葡萄のように実った櫨(ブドウハゼ)

櫨の実は、外皮に水に強いWAX成分を含み、種は非常に硬いため、そのままでは発芽しない。このことで、親木との競争が起こりにくい仕組みになっていると考えられる。

一方で、鳥の胃の中で強い酸性にさらされた種は発芽しやすくなる。さらに鳥によって広範囲に散布されることで、その植生範囲を広げる役割もあり、生物の授業で櫨は、陽樹の先駆種(パイオニア種)として位置づけられている。

和歌山県林業試験場が行った研究によれば、サンポールの中に24時間漬け込んだ種はほとんどが発芽したという。

この櫨の実から抽出されたWAXを木蝋(モクロウ)といい、和ろうそくやお相撲さんの髷を結う鬢付け油に使用され、全国で栽培されてきた植物である。

和蝋燭
吉田製蝋所の木蝋

農家が櫨を栽培しようとすると、優良な品種の穂木を台木に接木して増やす手法がとられてきた。この台木は一般的に櫨の種から育てた木も使われている。

接ぎ木の絵 「葡萄櫨樹栽培秘法田淵駒之助 著より」

当然、台木を沢山生産するために発芽率が高い鳥のフンから得られる種が必要とされたことは想像できる。

また、ジャコウネコに選別させる高級珈琲 コピ・ルアクのように 、野鳥自身が優良な種(美味しい種)を選別することで、台木としての価値だけでなく、実生の苗木としての価値も高い種が得られる生物的選別がなされている可能性も高い。

昔の和歌山では、優良品種の櫨「ブドウハゼ」が発見されたことで、この苗木が飛ぶように売れ、和歌山の財政を支えた。との記録が残っている。

当然、より優良な品種の種も必要としたことは間違いないだろう。

しかし、鳥のフンは決まった場所にあるわけではなく、大人たちが探すのは一苦労である。

そこで、100個集めると願いが叶う(好きなものを買ってあげる)というような子どもの仕事が存在していた可能性があるのではないだろうか?

この推論が正しければ、きつねの小判の遊びは櫨を栽培していた地域周辺に分布している可能性が高い。

果たして正しいのか?いつか授業で探求してみたい。

りら創造芸術高等学校 鞍

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校(平成28年4月開校)WEBサイト

りら創造芸術高等学校HP

関連記事

no image

染色 藍染

校庭で染色 6月29日に講師のれいら先生が来て服飾の授業で染色をしました。 今回は藍染めをしました

記事を読む

no image

天の川

学校では、晴れた日には天の川を見ることができます。 一面の星空を眺めていると、 街では気付かなかった

記事を読む

伏虎中学校演劇発表

2013年11月15日(金)、和歌山市内の和歌山市立伏虎中学校より依頼をうけ、平成25年度学習発表会

記事を読む

no image

自主練!

7月21日の「りらフェスティバル」での、 ダンス&和太鼓の舞台発表に向けて、 放課後に自主練習をはじ

記事を読む

《地域から引き継ぐ伝統芸能》御田の舞を奉納

こんにちは! 本日は3年生S,Aがお送りします! いつもりら活動ブログを閲覧して

記事を読む

後援会役員会が開催されました

9月7日19時から紀美野町総合福祉センターにてりら創造芸術学園後援会の役員会が開催されました。 後

記事を読む

地域デザイン特別校外学習in豆紀&和大講演会

2018年3月15日(木)春休み初日に授業地域デザインが企画する特別校外学習を行いました。 午

記事を読む

獅子舞の練習in志賀野丹生神社

9/26 放課後にりら創造芸術高等学校が立地する真国地区のお隣、志賀野地区の神社で獅子舞の練習をして

記事を読む

no image

「後期総合授業発表会」告知!

お久しぶりです。みなさん、明けましておめでとうございます!今年もりらをよろしくお願いします。そして、

記事を読む

第6回卒業式

皆さんこんにちは、1年生のI.Rです。 平成27年3月15日(日)に『第6回卒業式』が行われ、

記事を読む

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校(平成28年4月開校)WEBサイト

りら創造芸術高等学校HP

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

りら創造芸術高等学校HP

りら創造芸術高等学校(平成28年4月開校)WEBサイト

りら創造芸術高等学校HP
第2回りらシアター 開催の御礼

2019年9月28日土曜日、和歌山県民文化会館小ホールにて開催された

no image
令和元年度卒業証書授与式

2020年3月15日、卒業式が行われ、11期生が無事卒業しました。

no image
手漉きの卒業証書が出来上がりました

新型コロナウイルスの影響により、休校となってから約1週間が経ちました

no image
手漉き和紙 卒業証書作り

急に寒くなった2月。手漉き和紙の卒業証書を自ら漉くために11期生が

no image
ブドウハゼの原木が天然記念物に再登録!

2017年から授業「地域デザイン」の課題として調査しており、

no image
2019年度総合授業発表会 詳細について

2019年度 総合授業発表会『ReStart』 日程

→もっと見る

PAGE TOP ↑