ドイツ海外公演 番外編【強制収容所見学研修】
海外公演のために、ドイツ国ベルリンに行きました。
公演終了後、ドイツの歴史を学ぶ研修を行いましたので報告します。
今回訪れたのは、ナチスドイツが最初に作った強制収容所として、その後の収容所の形態に大きな影響を与えたとされる「ザクセンハウゼン強制収容所」です。
収容所は住宅街の中に立っています。
センターハウスを抜けると長い塀沿いを歩きます。
ところどころに監視塔が設置されています。
塀の切れ目の入り口の奥には白い建物が見えます。
白い建物を抜けると収容所の内部になります。
鉄の門の上部に文字が書かれています。
「仕事をすると自由になる」という意味なようです。
人々に希望を与えようとする管理者の思惑が見えますが、
その実情は過酷な労働と残虐な拷問と死だった。ということは、歴史の教科書で学んだ通りです。
この言葉は、アウシュビッツをはじめ、各地の強制収容所でも掲げられています。
門を抜けると、荒涼としたスペースが現れます。
ほとんどの施設は壊されて土台だけになっていますが、数棟は復元されて中が公開されています。
寝室は、3段ベットです。
おそらくお風呂でしょうか。緯度は北海道と同じくらいなので、冬は凍てつく極寒です。
入りたいとは思えません。
宿舎から一枚の壁をはさんで、掘り下げられた場所に行きました。
政治犯や反逆者などの銃殺刑に使われた死刑場でした。
その隣には、ご遺体を火葬する焼き場がありました。
収容された人自身がご遺体の運搬から焼却まで「仕事」として行ったそうです。
この施設を見学して、残った感情は「恐怖」「無念」「嫌悪」「罪悪感」など、負のものばかりでした。
そこには「希望」「夢」「感謝」などは皆無に感じました。
何故このようなことを行ったのか?という疑問と同じくして、
「何故このような施設を残し、公開しているのか」という疑問を強く感じました。
そのようなことを考えているとき、火葬場の入り口に立てられた石碑が目にとまりました。
意味を訳すると、
“彼らは国籍にかかわらず、あのとき完全な軽蔑と憎しみの中、拷問に掛けられ殺され、毒ガスで殺され、餓死させられ、焼き殺され、絞首刑になった。
そのことを忘れてしまえば、ヨーロッパに未来はない。唯一わかっているのはそれだけである。”
といったところでしょうか。
この施設にこめられたメッセージは「反省」と「未来」なのか。と思いました。
反省の上に作り上げられた「国家」が掲げるビジョンは、近隣の国々にも大きな影響を与えたのでしょう。
2度の敗戦という厳しい現実の中、ドイツがヨーロッパの中心になれた要因の一つだと感じました。
りら創造芸術高等学校HP
関連記事
-
春休みの納豆研修in京都山国
納豆歴史研修in京都山国 生徒作品:わら納豆 5期生N.I りら創造芸術高等専修学校
-
今週末はりらフェスです ~演目見せ~
こんにちは!11期生のS.Kです。 7月6日にりらフェスの演目見せがありました。演目見せとは、通し
-
危険ドラッグ防止演劇 千秋楽!
危険ドラッグ防止演劇がついに千秋楽を迎えました!! 1月30日.2月6日(金)の2日間に分けり
-
「Lyra演劇祭」告知!! 2014年11月15日(土)
「Lyra演劇祭告知!!」 H26,11.15 (SAT) OPEN/13:30 START
-
内閣府事業で海外青年団が視察のため来校しました
2018年2月22日、平成29年度地域課題対応人材育成事業「地域コアリーダープログラム」(FY201
-
『モデル撮影、スタジオワーク』の特別授業
7月1日(木)に、毎年恒例となっている、『モデル撮影、スタジオワーク』の特別授業が行われました。
-
世界民族祭まで…カウントダウン開始!!
すこんにちは!朝晩がすっごく冷え込み布団から出るのか辛い季節になってきました…。 3年生の豊川
-
新入生の初ブログ投稿!りら生にインタビュー
こんにちは。新入生のK.SとM.YとY.Sです。 今回は新しい生活がス