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地域デザイン【校外学習】庄屋「弥市郎」の墓見学

公開日: : 地域デザイン授業記録簿, 最新情報

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五月晴れに恵まれた金曜日の午後。授業地域デザインの校外学習の一環として、地域の郷土史家森下誠先生のご案内で、安永の高野山寺領一揆の首謀者の一人、管沢村の庄屋「弥市郎」の墓を見学に行きましたので報告します。

安永の高野山寺領一揆とは、江戸時代に当地を含む高野寺領一帯の百姓3000名が起こした一揆です。今回の校外学習は、この小さな村の大事件から始まります。

安永五年(1776年 241年前)高野山の寺領であった当地域は、不作のうえ疫病が蔓延し、村民にとって苦しい年でした。8割を超える厳しい年貢を課されていた当地の庄屋たちは、年貢を下げてくれるように領主である高野山に願い出ますが、聞き入れられません。とうとう庄屋たちは、その年の11月1日に強訴(いわゆる一揆)にふみきりました。

当時、強訴は重罪です。一揆の指導者たちもそのことをしっていたのでしょう。計画段階から自分たちの亡き後の事後処理担当者を決め、その名を連判状からはずしています。

そんな、指導者の一人が今回のお墓に名が刻まれた「弥市郎」だったのです。

彼は、その後江戸に連行され、打ち首のうえ獄門の刑になります。

 

何故、罪人だったはずの彼の墓がここに存在するのか?

 

今回、講師をお願いした森下先生は、周辺の家に残る古文書の読解を徹底的に行い、執念ともいえるフィールド調査の末、弥市郎の墓を発見された先生です。

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まずは、発見された墓を見学に行きました。小さな祠に5つの供養塔が並んでいます。

その中央に小さな墓石があります。

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先生曰く、発見のきっかけになったのは、周辺に住む当時90代のおばあちゃんが「私が嫁いできたときにおじいちゃんから庄屋様の墓がある。と聞いたことがある。」と聞き取ったこと。だったそうです。

その後、周辺を調査し、この墓石を発見。表には「安養正念信士」「春山清空信士」「秋清妙圓信女」という3人の戒名があり、右側に文化7年3月21日の日付。左側に俗名 弥市良 と書かれてることがわかりました。

 

現地の見学の後は、かじか荘に会場を移し、先生が考える「伝えてこられなかった歴史」についてのお話も交えて授業をしてくださいました。

授業では、実際に先生が写しをとられた古文書も見せてくださいました。

難しい漢字や難読の文字を読み解くと、借金を苦に夜逃げする父親が、残った家族を想って書いたモノであることがわかったそうです。

教科書の中の世界ではなく、目の前に広がる村のなかで、実際の文書に書かれたリアルな歴史に感動しました。

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話を弥市郎に戻します。

先生のお話しによると文化7年は、打ち首から33年目にあたります。現在でも33回忌は「弔い上げ」といわれ、どんな罪を犯した故人でも、極楽浄土へ行けるようになり、祖先となるという考え方を取ります。また、墓石に刻まれた3月21日は弘法大師空海の入定(即身仏となった)の日です。丁重に故人を弔いたい。という当時の親族や村民の想いが伝わってくる気がします。そんなことが忘れられていたはずの現代でも、お墓には地区の方によって新鮮な花が供えられています。

このことから、森下先生は、当時の政治体制では悪人とされ、歴史の中でも同様に扱われていた庄屋弥市郎に対して村人たちは、村のために犠牲になった英雄として大切に供養されてきた「村のこころ」を感じる。とおっしゃられていました。

 

「一揆」や「獄門」、「打ち首」など、物騒な単語が並びますが、今回の学習で村に「伝わる歴史」と「伝わらなかったが確実に息づく歴史」を肌で感じることができました。

このことを理解することで、当時の村民が一揆の後をどのように生き残り、今につながったのかを知る貴重な学習の機会となりました。

 

このお話しには、続きがあります。

一揆の指導者とされ、獄門に処された庄屋は8名。各々、生まれ故郷でさらし首にされたと云われています。

1名は本校の立地する真国地区の出身であることが分かっています。いつの日にか、授業地域デザインのフィールドワークで彼の墓石を発見できるかもしれない・・・

そんなことを夢見ながら、今週も地域を歩きたいと思います。

 

※このブログ記事は校外学習での内容と「美里むかしがたり」森下誠著 紀美野町教育委員会発行 の内容を参考に書いています。

 

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