オーガニックコスメ製作 【④カヤの木とは】
公開日:
:
最終更新日:2022/03/03
りら工房, オーガニックコスメプロジェクト
前回のブログはこちら
私たちが考えるオーガニックコスメの原料の核となっているのが、
「ハゼロウ」と「カヤ」です。
ハゼロウについては、ブドウハゼに関するブログ
をご覧ください。
このブログでは「榧(カヤ)」について書いていきます。

カヤの木は、最高級の囲碁の盤に使用される高級木材です。
成長は遅く、農業としての栽培は難しいとされています。
種子からは油が搾ることができ、この油は日本で産出する植物油として最高級の品とされています。江戸時代に幕府への献上品になっていたとの文献もあり、あの徳川家康の食べた鯛の天ぷらもカヤ油が使われていたとの逸話も残っています。
紀美野町には約180本のカヤの木があり、その中には実が大きく、実の筋が左向きに巻いている『ヒダリマキガヤ』と言う珍しい種類のカヤの木が25本ほどあります。
古くはその種から抽出する油を灯明用油として高野山への年貢にするために紀美野町内で栽培されていました。
高野領であった町内の毛原地区・国吉地区でより多くの油が取れるヒダリマキガヤが栽培されていたと言われており、現在もこの地区にヒダリマキガヤが多数存在します。
しかしカヤの木は現在、油を取る用途に使われておらず、放置されているため枯死している木もあります。それらの木を守るため2019年に『ヒダリマキガヤ郡』として約13本のヒダリマキガヤの木が和歌山県の天然記念物に指定されています。
このようなお話を2021年の6月に紀美野町教育委員会社会教育委員の西浦さんからお聞きしました。
この話を聞いた時は、枯死寸前の木だったり、手入れをすることがあまりないというイメージで、カヤの実はあまり多くはなっていないのかなと想像し、多く収穫出来ないのではないかと思っていました。
しかし実際にカヤの木の場所を案内してもらうと既に木には実ができており、想像より沢山のヒダリマキガヤの実があることにびっくりしました。

カヤの木が家の近所の道端にある所に住んでおられる方は「実が道に落ちて、そこから出る油で滑るのであまりいい印象を持っていなかった」とおっしゃるのを聞いて、そういう風に思われるほど紀美野町内ではカヤが身近なんだなと思いました。
そんな厄介者のカヤの実を活用する方法を考えていくことが、地元の方にとってもいいお話になればなと思っています。
りら創造芸術高等学校HP
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