榧油奉納第3報
公開日:
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りら工房, オーガニックコスメプロジェクト
【🌳りらファクトリー活動報告🌳】
2025年9月10日、高野山真言宗 総本山金剛峯寺にて、りらファクトリーのメンバーが作った榧種子油を、紀美野町からは150年ぶりに奉納いたしました。
5年前、マルチバームキノミノリの香料として榧を扱い始めたことをきっかけに榧に関する活動を開始しました。
精油を作るだけでない新たな榧の活用法を考える中、昨年の高野山研修で高野山で灯明に榧の油を今でも需要があると伺い、油を搾って高野山に届けたいという想いから、奉納にこぎつけました。


榧の実を拾わせていただいた紀美野町の榧所有者の皆様、榧の種の処理を手伝ってくださったりらサポーターズの皆様、油を搾るための装置を提供してくださった志賀野ベースの大隅様、そして昔ながらの搾油方法を教えてくださった角岡様、
といった、たくさんの方のお力があって、奉納が実現しました。
金剛峯寺では、一番大きさがあり、一般拝観では入ることも、また外から撮影することもできない大広間で執り行っていただき、大変身の引き締まる温かい奉納式となりました。


奉納後の金剛峯寺の桐生執行様からのごあいさつで、高校生がお太師様の時代から続く灯明の榧油に着目し取り組んでいることを評価していただき「これからも、高野山文化圏の活性化に励んでほしい」というお言葉をいただきました。
そして、地元に生息する榧木から、かつて灯明として高野山を支えた油を現代によみがえらせたことを讃えていただく手書きの感謝状もいただきました。
りらファクトリーでは今後も、高野山文化圏に関する学びを深めながら榧を使った地域活性化に取り組んでいきます。
以下、生徒の感想です。
りらファクトリーで高野山金剛峯寺にカヤの油を奉納してきました。
去年、高野山研修を行ったときから、カヤと高野山とのつながりを強く感じることができました。
そこから、いろんな方の力を借りながら、搾るまでの種の加工方法を研究し、搾油方法確立し、それから手作業で約11か月間かかりました。思いがたくさん詰まったカヤの油を奉納できたことはとても嬉しく、我が子を嫁にやったような気持ちになりました。
奉納場所は、普段は見ることしかできない場所で行われて、最初と最後にお経を読んでいただき、厳粛な儀式をしているんだなと感じました。
私は、説明をする役割だったのでとても緊張しましたが、お坊さんたちが優しい目で見守ってくれていて、緊張が和らいだように思います。
今回のために、奥の院で燃え続けている、消えずの火を持ってきていただき、消えずに火からカヤの油を使った灯明に火を移させていただきました。そのことも、とてもうれしかったです。
たくさんの方に見守られながら終えることができたカヤの油の奉納を今回限りで終わることなく、これからも続けることが大切だと思います。来年も、再来年も続けていきたいです。
(O・H)
高野山に榧の油を奉納したことは、古くから続く歴史に直接触れることができ、とても光栄だと感じました。昔から地域、人々の生活と信仰を支えてきた高野山との関わりの深さや、人々が大切にしてきた思いを直に知ることができてとても良い経験になりました。榧の油が高野山の灯火として灯され人々の祈りを照らしてきたのだと実感し、私自身もその伝統の一端を担わせてもらえたと思うと身を引き締めることができました。
実際に奉納に関わることで、信仰が単なる歴史や知識ではなく、人々の祈りや生活の中で息づいているものだと実感できました。今回の経験を、これからの日々の生活や学びにも生かしていきたいと思います。また、高野山に受け継がれてきた信仰や文化をさらに深く知り、大切にして次の世代へとつなげていきたいと感じました。
(T・Y)
りら創造芸術高等学校HP
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