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吉田製蝋所見学報告

2月末、海南市にある吉田製蝋所に見学に伺いました。
吉田製蝋所は和歌山県で唯一の製蝋施設で、日本でも最も古い型の製造機器「玉締め圧搾機」を今も使用して木蝋をつくっておられる、非常に貴重な製蝋所です。
近畿大学文芸学部の藤井教授が吉田製蝋所の歴史を論文にされ「吉田さんの製蝋機は、日本でも最古になるのでもし使わなくなったとしても文化財として保存したい」とおっしゃるほどの施設です。

そんな現場に、りらファクトリーでお邪魔しました。
伺った日は製蝋作業を行ってはいなかったので、施設の見学をして吉田さんご夫婦からゆっくりお話を聞くことが出来ました。

以下、生徒の感想です。

吉田製蝋所の見学に行きました。
今回私は初めて見学させていただき、ずっと話に聞いていた吉田製蝋所を実際に見ることができてとても嬉しかったです。吉田さんご夫妻にもお会いすることができ、お話をたくさん聞くことができました。
吉田製蝋所の見学で、私が驚いたことが二つあります。
一つ目は、蔵や道具の歴史の深さです。
近畿大学の藤井先生が、製法はもちろん、道具にも博物館に置けるほどの歴史的価値があるとおっしゃっていました。そんな道具を実際に見て、そして実際に機械が動いている様子を見て私は驚いてしまいました。蔵も、吉田さんのお宅で見せていただいた戦前頃の写真に写っていて、昔のままの姿でずっと残っていることを実感しました。
二つ目は、ハゼの収穫量が以前と比べて想像以上に減っていたことです。
吉田さんが、買い取ったハゼを保存している蔵を案内してくださいました。その時にあったハゼは部屋の片隅に山のように積まれていたのですが、昔はもっともっとあったそうです。保存用の蔵がいっぱいになるほどあったとか。そう考えると、ハゼの収穫量は本当に減ってきてしまっているということがわかって、少し悲しくなりました。まだまだブドウハゼが貴重であるということも、吉田さんは話してくれました。でも、今はさまざまな方が動き徐々にハゼの収穫量が増えていると思うので、蔵がいっぱいになるぐらいのハゼが見れるようになるといいなと思いました。
貴重な体験ができてよかったです。ありがとうございました。
(T・M)

2回目の吉田製蝋所見学に行って、前回は実際にブドウハゼから蝋に絞っているのを見せていただいたけれど、今回は蝋になるまでの工程と今まで受け継がれてきた吉田製蝋所の歴史などを教えてもらえてよかったです。
吉田製蝋所に何回行っても昔のまま作られているということや薬剤を全く使ってない、天然100%の蝋を作るというのがすごいなと思います。たくさんのこだわりがあるからこそ、いろんな和ろうそくを作っているお店からの需要があるんだなと分かりました。
吉田さんが言っていたように、蝋がたくさんありすぎても困るし、蝋が少なすぎても必要としている所にあまり売れないというのが難しいなと思いました。でも、ブドウハゼの蝋は需要があるというのは改めて再確認できました。
何年か前に、ブドウハゼが注目を浴びていなかったら、今の吉田製蝋所がなくなっていたと考えるとあの時に高校生の先輩方がブドウハゼを見つけて、今こうして私たちに繋がっていて、たくさんの人が携わってきたおかげで残っているんだなと感じました。
ブドウハゼの収穫量が減っていますがもしなくなったら、吉田製蝋所がなくなると思うとすごくもったいないなとも思いました。吉田製蝋所の歴史を聞いていると今現在まで受け継がれていることが「すごい」という言葉でしか表せませんが、残していきたいものだと思います。そのためにも私たちはこれからも、もっとブドウハゼの蝋の活用法を考えていきたいと改めて思いました。
やっぱり実際に見学して、自分の目で見るっていうことは大切だなと感じました。
(F・K)

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