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ブドウハゼツアーをしました!

5月に、海南市下津地区と有田市でブドウハゼにまつわる場所を訪問しました。
訪れたのは長保寺、チームZENKICHIメンバーのブドウハゼ畑2か所、箕島神社にある田中神社、お香を製造する和歌山香醸です。

長保寺は、和歌山にハゼをもたらすきっかけを作った紀州徳川家の菩提寺。

田中神社は、田中善吉が祀られている神社です。

田中善吉は現在の有田川町で1694年に生まれ、1736年に紀州藩の命で九州に精糖技術を学びに行った際にハゼの種を持ち帰ったとされている人物です。
田中善吉によって和歌山で育ったハゼが突然変異してブドウハゼができたとされています。
キノミノリを作るきっかけとなったブドウハゼのルーツを深く知ることができました。

チームZENKICHIは、有田と下津を中心とした地域でブドウハゼ栽培に取り組む団体です。
キノミノリが出来上がる前から、りらファクトリーを含めたりらの活動を応援してくださっており、今回のブドウハゼをめぐる研修の案内もしてくださいました。


ブドウハゼ畑1か所目は、長保寺のすぐ近くにある場所でした。この畑は長保寺の境内から見渡せる場所にあります。
ハゼの紅葉は「ハゼ紅葉(もみじ)」と言われるようにとても赤くてきれいなので、この畑ではお寺からの景観を楽しむための高い枝と、ブドウハゼの実を収穫するための低木の枝の両方を作ろうとされています。
ブドウハゼ畑2か所目は、有田市の海が見える場所にあり、みかん畑の一角をブドウハゼ畑にされていました。
ここでは6年前から接ぎ木でブドウハゼの栽培を始められたそうで、沢山のブドウハゼの樹がありました。
ブドウハゼの樹は高く育つため、昔ながらの実の収穫は高い場所まで梯子を使って行う大変危険なものでした。
チームZENKICHIさんたちは、高い場所まで登らなくてもブドウハゼ収穫ができるようにと、低木栽培に取り組んでおられます。「誰もやったことがないから実験だけど、今のところは実が収穫できている」と仰っていました。

その他にも、鉢植えで育てたら、大きく育たず、低木栽培が自然にできるのではないかと考えて実験されたり、ハゼの苗を育てておられたりと、たくさんの取り組みをされていました。
12月には実が収穫できるようになるとのことで、今年は収穫にも参加したいと考えています。

和歌山香醸さんは、チームZENKICHIのメンバーの方が経営されているお香の会社です。
お香も、椨(たぶ)や白檀(びゃくだん)といった、木を使った産品。
香りを楽しむ香道の話も含めて、様々な木のことを学ぶ機会となりました。

濃厚なブドウハゼ研修を経て、現在りらファクトリーでは新たな「キノミノリ」に向けて、取り組んでいます。

以下、生徒の感想です。

今回のチームZENKICHIさんのブドウハゼツアーでキノミノリが色んな人に期待、大切にされているんだなと知ることが出来ました。
まず長宝寺に行きました。
徳川家のお墓があるところがなんだか禍々しくも神々しくもあって感動しました。風も吹いていて、天気も良かったのでいい雰囲気でした。和歌山にこんなところがあるんだなと驚きました。
田中神社は小さいけど雰囲気があって歴史が深いんだろうなと思いました。神社の前で歴史の話も聞けてよかったです。
昔の人がロウソクは年貢の対象外だから小遣い稼ぎに作っていたという話を聞いて、昔からお金を稼ぐのにハゼは役立っていたんだなと思うと面白かったです。
そして、お香の工場に行ってお香の話を聞かせてもらいました。
お香の作り方を初めて見て、驚いたし面白かったです。乾燥させる前のお香はゴムみたいな感触で驚きました。
お香は少し遠い存在のように感じていたけど、今回身近に感じることが出来て良かったです。
最後に、脇村さんのブドウハゼ畑を見せてもらいました。
低木にするために紐で引っ張ったり、バケツに入れて育てたり、色々な工夫がされていてとても面白かったです。
ハゼの木を低木にすることが出来れば簡単に実をとることが出来るので成功すればいいなと思いました。
また、あんなにたくさんのブドウハゼの木を育てていると思わなかったので驚きました。
もっともっとブドウハゼの木が増えていったらいいなと思いました。
接ぎ木の話を聞いて、上手さなどもあるかもしれないけど、接ぎ木が成功するかどうかは運が大きいのかなとも思いました。
今回のブドウハゼツアーで私は、ブドウハゼやカヤ、キノミノリをもっと地域に定着させて広めていきたいと思いました。
そして、ゆくゆくは地域の人にブドウハゼやカヤの木を植えれば普通に生活出来るくらいの収入を得ることが出来ると思われるように私たちが頑張ってキノミノリやブドウハゼ、カヤの存在や素晴らしさを広めていきたいです。
そして、いつかは地域の人の支えになれるような産業になったらいいなと思います。
(T・M)

5月のプロジェクトフィールドワークでは、様々な場所を巡り、お話を聞かせていただき、学びの多い一日でした。
ツアーでは長保寺、ブドウハゼ畑、箕嶋神社(田中神社)、和歌山香醸さん、ブドウハゼ畑を巡りましたが、その中でも面白かったのが、和歌山香醸さんの工場です。
お寺に行ったときにお香の香りが漂っていたり、母が家でお香を焚いていたことがあったので、多少馴染みのあるものだとは思っていましたが、
実際に作られているところは見たことも想像したことも無かったので、製造過程を初めて知りました。
乾燥させる前の状態は粘土に似ているのに、それが木で出来ていることや、キャラが1g50,000円もすることに驚きました。
キャラの香りを聞かせていただいたとき、「焼香のような香りがする」という感想が出て来て、なぜお葬式で焼香をあげるのか疑問に思いました。
調べてみると、お香の香りは心身の穢れを取り払ってくれるとされており、香を上げることで自身を清め、死者や仏様に感謝の念を伝え、冥福を祈るためにするそうです。
また、香りは「嗅ぐ」ではなく「聞く」という表現をするということも、初めて知りました。
「香りを聞く」というのは香道で使われる表現で、香道には「聞香」と「組香」という2つの遊び方があるそうです。
香りを聞いて鑑賞するのが「聞香」、お香を聞き分けるのが「組香」というように区別されています。
これまであまり工場を見学させてもらった経験が無かったので、工場自体が私にとって珍しかったというのもありますが、それを差し引いても面白い経験になったと思います。
長保寺の近くのブドウハゼ畑も、秘密基地のようになっていて楽しかったです。
私はまだ、ブドウハゼの木が紅葉したのを見たことが無いので、シーズンになったら見に行きたいと思いました。ブドウハゼが紅葉するのも、確かに景観が良くなって観光スポットになると思いますが、あの秘密基地のような畑をそのまま観光地化することが出来たらなとも思いました。
また、田中神社に参拝したとき、神社に実際に生きていた人を祀っているということにとても驚きました。昔の天皇が祀られていたりするのは知っていましたが、そういう話はあまり関係が無く遠くに感じるので、特になんとも思っていませんでした。ですが、田中善吉さんは紀州藩と結びつきのある商人の家の一人で、名字帯刀は許されているけれども天皇でも将軍でもないので、そういう人でも祀られることを初めて知って、印象深かったです。
そして、田中善吉さんがいなかったら、ブドウハゼもブドウハゼから始まった、天然記念物再指定やキノミノリやりらファクトリーでのこういう活動もなかったかもしれないと思い、田中善吉さんがいて良かったなと思いました。
今回、様々なことを学ばせていただけて良かったです。今年はキノミノリをシリーズ化しようと挑戦しているので、これからも勉強しながら頑張りたいと思いました。
(A・T)

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